黒田 博
スタイリッシュで優美な魅力あふれるカヴァリエ・バリトン
二期会のトップ・バリトンとして名実ともに日本のオペラ界を牽引する存在。
モーツァルトの4大オペラから現代の新作までレパートリーは幅広い。
最近では、宮本亜門演出の『フィガロの結婚』で、誇り高く傲慢で男らしい
アルマヴィーヴァ伯爵を演じて観客を魅了した。
スタイリッシュで端正な音楽と華のある舞台姿で、優雅な魅力
あふれるカヴァリエ・バリトン。
京都府出身。京都市立芸術大学卒業。東京藝術大学大学院オペラ科修了。
1989年より2年間イタリアへ留学。
オペラでは、モーツァルト4大オペラをはじめ、現代の新作まで様々な作品に出演。
以後、新国立劇場『天守物語』図書之助、新国立劇場『こうもり』ファルケ、二期会『真夏の夜の夢』ディミトリウス、東京とソウルで『虎月傳』、新国立劇場・二期会共催公演『忠臣蔵』堀部安兵衛、『ナクソス島のアリアドネ』音楽教師等に出演。
2001
レナード・バーンスタイン作曲『キャンディード』(佐渡裕指揮・宮本亜門演出)でミュージカルに挑戦、要となるバングロス役で注目を浴びた。
二期会50周年記念公演には、02年『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(ベルギー王立モネ劇場提携公演)ハンス・ザックス、03年『カルメン』エスカミリオに相次いで出演。
2003
日生劇場開場40周年記念特別公演『ルル』では難役シェーン博士と切り裂きジャックの二役を演じ、04年新国立劇場・二期会共催『俊寛』(市川團十郎演出)、二期会公演『ドン・ジョヴァンニ』(宮本亜門演出)にそれぞれ題名役で主演。演劇性の高い舞台でその役割を十二分に果たした。
2005
神奈川フィル『イル・トロヴァトーレ』ルーナ伯爵、7月新国立劇場鑑賞教室『蝶々夫人』シャープレスの他、シアター1010での『じょうるり』人形遣い与助では音楽誌等で絶賛された。
2006
新国立劇場『愛怨』若草皇子に出演。同年、東京二期会『フィガロの結婚』では得意のアルマヴィーヴァ役で舞台を牽引した。『メリー・ウィドー』ダニロヴィッチ伯爵なども当り役である。
2008
新国立劇場への出演や東京二期会『エウゲニー・オネーギン』の主演など大役が続く。
2010
新国立劇場創作委嘱作品〈世界初演・池辺晋一郎作曲〉オペラ『鹿鳴館』影山悠敏伯爵に出演し存在感ある演唱で高い評価を得た。
2011
東京二期会・ラインドイツオペラとの共同制作『ドン・ジョヴァンニ』に主演など、さらなる注目を集めている。
2012
びわ湖ホールと神奈川県民ホールにおいて、アメリカ・サンディエゴ歌劇場との提携公演として、ワーグナー『タンホイザー』ヴォルフラムに出演。東京二期会・バルセロナ・リセウ大劇場/チュリッヒ歌劇場共同制作『パルジファル』アムフォルタスでも高い評価を得た。以後、びわ湖ホール・神奈川県民ホール『椿姫』ジェルモンをはじめ、新国立劇場『夜叉が池』(世界初演)、びわ湖ホール・神奈川県民ホール『オテロ』イアーゴ、新国立劇場『沈黙』フェレイラ、東京二期会『魔笛』パパゲーノ、新国立劇場『ラインの黄金』ドンナー、神奈川県民ホール『金閣寺』父役等で活躍。
2016
1月ロームシアター『フィデリオ』ドン・フェルナンドでも存在感を示し、同年7月には東京二期会『フィガロの結婚』フィガロに出演。
2018
新国立劇場『フィデリオ』ドン・フェルナンドで出演し高い評価を得ている。
コンサートにおいてもバロックから現代まで幅広く活躍。
1997年日米欧14人の作曲家による「和解のレクイエム」日本初演、03年にはチョン・ミョンフン指揮、東京フィル公演でルイス・バカロフ「ミサ・タンゴ」日本初演の独唱を務めた。平成15年度京都市芸術新人賞受賞。ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」、ベート-ヴェン「第九」の演奏にも定評がある。国立音楽大学教授。(オペラ界のスターによる男声ユニット「The JADE(ザ・ジェイド)」メンバー。